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大型クラウドファンディングのコピーはどう決めるべきか?
まずはじめに:大型クラウドファンディングを支援してきたOIKAZEが解説
この記事では、クラウドファンディングの支援額を伸ばすために重要な考え方を、実際の大型プロジェクト支援の視点から解説します。
OIKAZEを運営する株式会社nagiは、これまでに累計20億円以上の支援金を集め、120件以上のクラウドファンディングプロジェクトを支援してきました。日本企業によるクラウドファンディング最高記録を達成した鹿島建設のプロジェクトをはじめ、数千万円〜数億円規模の大型案件において、コンサルティング・ページ制作・コピー設計・広告クリエイティブ制作まで幅広く伴走しています。
本記事では、大型クラウドファンディングの成功に強いnagi / OIKAZEの視点から、プロジェクトを最大化するためのティザー施策について解説します。
クラウドファンディングにおいて、コピーは単なる「かっこいい言葉」ではない
特に大型プロジェクトでは、コピーひとつで商品の第一印象が大きく変わります。ページを開いた瞬間に「これは自分に関係がありそうだ」と思ってもらえるか。あるいは「なんだか面白そう」「もう少し詳しく見てみたい」と感じてもらえるか。
その最初のきっかけを作るのが、キービジュアルや広告の冒頭に置かれるコピーです。
クラウドファンディングでは、ユーザーが商品を実際に手に取ることはできません。そのため、スペックや機能を丁寧に説明する前に、まずは興味を持ってもらう必要があります。
つまりコピーの役割は、最初からすべてを理解させることではなく、
「ん?これは何だろう」と立ち止まってもらうことにあります。
コピーを決める前に、まず商品のコアを見極める

大型クラウドファンディングのコピーを考えるとき、最初にやるべきことは言葉を作ることではありません。まずは、その商品のコアとなる価値を見極めることです。
その商品は、何を変えるものなのか。
どんな人にとって、なぜ必要なのか。
既存の商品と比べて、どこに新しさがあるのか。
支援者は、その商品にどんな期待を持つのか。
この整理ができていない状態でコピーを考えると、どうしても「高性能」「革新的」「こだわりの設計」といった、どの商品にも当てはまりそうな言葉になってしまいます。
もちろんスペックや技術は重要です。しかし、クラウドファンディングで最初にユーザーを惹きつけるのは、スペックそのものではなく、そこから生まれる体験です。
例えば、イヤホンであれば「音質が良い」という説明だけでは弱い場合があります。
その音によって、どんな時間が生まれるのか。どんな感覚になるのか。今までのイヤホン体験と何が違うのか。
そこまで掘り下げることで、コピーの方向性が見えてきます。
事例:final「ZE3000 for ASMR」

OIKAZEが制作に関わったプロジェクトのひとつに、finalの「ZE3000 for ASMR」があります。このプロジェクトでは、ASMRに特化した完全ワイヤレスイヤホンという新しい価値を、どう一瞬で伝えるかが重要なポイントでした。
プロジェクトでは、
「脳がとろけるような没入感。極上のASMR体験。」
「世界初、“ASMRを誘い出す”イヤホン。」
というコピーが使われています。finalのプレスリリースでも、同プロジェクトは「ASMR誘発を主目的とした製品」として紹介されています。
ここで重要なのは、「ASMR向けイヤホンです」と説明するだけで終わっていない点です。
「脳がとろけるような没入感」という表現は、スペックの説明ではありません。けれど、ASMRを楽しむ人にとっては、非常に感覚的に伝わる言葉です。
一方で、「世界初、“ASMRを誘い出す”イヤホン。」というコピーによって、商品カテゴリとしての新しさも伝えています。
つまり、感情に訴えるコピーと、商品の独自性を伝えるコピーを組み合わせることで、
「どんな体験ができるのか」と「なぜ新しいのか」の両方を伝えているのです。
ここで最初から細かい技術説明を前面に出してしまうと、ユーザーは理解する前に離脱してしまう可能性があります。しかし、「脳がとろける」「ASMRを誘い出す」という言葉があることで、まずは直感的に興味を持ってもらえる。
大型クラウドファンディングにおけるコピーは、この“興味の入口”をどう作るかが非常に重要です。
事例:鹿島建設「OPSODIS 1」

もうひとつの事例が、鹿島建設の立体音響スピーカー「OPSODIS 1」です。
OPSODIS 1は、鹿島建設が英国サウサンプトン大学と共同開発した立体音響技術「OPSODIS」を搭載したスピーカーです。公式サイトでも、ヘッドホンのような没入感とスピーカーによる臨場感を生み出す技術として紹介されています。
このプロジェクトでは、キービジュアル上で、
「世界初のバイノーラル原理によるスピーカー」
という機能的な強みを提示し、その下に、
「3Dサラウンドの常識を覆す」
というサブコピーを置く構成になっています。GREEN FUNDING上でも、プロジェクトタイトルとして「3Dサラウンドの常識を覆す。目の前に1台置くだけの立体音響スピーカー。」という訴求が使われています。
このコピー設計のポイントは、技術の新しさと体験の驚きを両立していることです。
「世界初のバイノーラル原理によるスピーカー」は、商品の技術的なコアを伝える言葉です。一方で、「3Dサラウンドの常識を覆す」は、その技術によってユーザーが感じる驚きを表現しています。
さらに、右上に鹿島建設のロゴが入ることで、
「なぜ建設会社がスピーカーを?」という違和感と興味も生まれます。
この違和感も、クラウドファンディングでは重要なフックになります。ただ商品を説明するだけではなく、ブランドや開発背景も含めて、ユーザーが思わず続きを読みたくなる構造を作る。
OPSODIS 1の場合、「鹿島建設が本気でスピーカーを作った」という文脈そのものが、コピーやビジュアルと結びつくことで強い引きになっています。実際に鹿島建設のリリースでも、OPSODIS 1は小型の立体音響スピーカーとしてクラウドファンディングで販売開始されたことが紹介されています。
コピーは「理解」より先に「興味」を作る
クラウドファンディングのページでは、最終的には商品の機能や仕様、価格、リターン内容、開発背景などを丁寧に説明する必要があります。
しかし、ファーストビューや広告の冒頭でそれをすべて伝えようとすると、情報量が多くなりすぎます。
特に大型プロジェクトでは、商品自体に語るべき要素が多くなりがちです。技術、素材、開発背景、ブランドの実績、ユーザーの課題、使用シーン、比較優位性。これらをすべて一度に伝えようとすると、コピーはどんどん説明的になります。
しかし、最初のコピーに必要なのは、完全な理解ではありません。
重要なのは、
「なんか気になる」
「自分に関係ありそう」
「もう少し見てみたい」
と思ってもらうことです。
ZE3000 for ASMRの「脳がとろけるような没入感」も、OPSODIS 1の「3Dサラウンドの常識を覆す」も、コピーだけで商品のすべてを説明しているわけではありません。
けれど、どちらも続きを見たくなる余白があります。
この“余白”が、クラウドファンディングのコピーではとても大切です。
ターゲットに合わせて、言葉の強さを調整する
コピーを決めるうえでは、ターゲット層とのバランスも重要です。
例えば、ガジェット好きやオーディオ好きに向けた商品であれば、「世界初」「バイノーラル原理」「3Dサラウンド」といった技術的な言葉がフックになります。専門性のある言葉が、むしろ信頼や期待につながるからです。
一方で、よりライトなユーザーに向けた商品であれば、技術用語を前面に出しすぎると伝わりにくくなることもあります。
その場合は、
「目の前に1台置くだけで、音に包まれる」
「部屋にいながら、映画館のような臨場感を楽しめる」
「スピーカーなのに、ヘッドホンのような没入感がある」
といった、生活シーンや感覚に近い言葉の方が有効です。
つまり、コピーは商品のコアだけで決めるものではありません。商品のコアと、ターゲットの理解度・関心・期待値の交差点で決めるものです。
どれだけ良いコピーでも、ターゲットが反応しなければ意味がありません。反対に、少し尖った表現でも、ターゲットに刺されば強いフックになります。
大型クラウドファンディングでは、コピーとビジュアルをセットで考える
コピーは単体で機能するものではありません。
特にクラウドファンディングでは、キービジュアル、動画、広告、LP構成、リターン導線とセットで見られます。
例えば、「3Dサラウンドの常識を覆す」というコピーも、ただ文字だけで見せるより、スピーカーの存在感、音の広がりを感じさせるビジュアル、鹿島建設のロゴ、技術的な信頼感が一体になることで、より強く伝わります。
ZE3000 for ASMRの場合も、「脳がとろけるような没入感」というコピーは、ASMRの世界観や没入感を表すビジュアルと組み合わさることで、より感覚的に伝わります。
コピーを考えるときは、言葉だけを切り出して評価するのではなく、
「このコピーがキービジュアルに乗ったときにどう見えるか」
「広告の冒頭3秒で伝わるか」
「ページを読み進めたときに、後続の説明とつながるか」
まで確認する必要があります。
まとめ:コピーは、支援判断の入口を作るもの
大型クラウドファンディングにおけるコピーは、単なるキャッチフレーズではありません。
商品のコアを見極め、ターゲットの関心を捉え、ビジュアルや動画と連動しながら、支援者がページを読み進めるきっかけを作るものです。
最初からすべてを説明する必要はありません。
むしろ、最初に必要なのは「理解」よりも「興味」です。
「これは何だろう」
「ちょっと面白そう」
「自分にも関係がありそう」
そう思ってもらえた先に、機能説明や実績、開発背景、リターン内容が活きてきます。
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