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【約16億円調達】Flow Hive ─ ハチミツを蛇口で採れる発明がクラファンを変えた【完全解説】
はじめに:クラファン界を揺るがした「蜜の革命」
2015年2月、オーストラリアから世界を驚かせるプロジェクトがIndiegogoでスタートしました。
その名は「Flow Hive」。
見た目は普通の木製の巣箱ですが、中にはミツバチの巣を壊さずにハチミツを蛇口のように流し取れる独自構造が隠されていました。
目標金額はわずか 7万ドル。
しかし、開始から数分で達成し、最終的には**約1,220万ドル(約16億円)**を調達。世界130か国以上から数万人の支援を集め、当時のクラファン史上でも最大級の成果となりました。
第1章:父子が生んだ10年越しの発明
Flow Hiveを生み出したのは、養蜂家のStuart Andersonとその息子Cedar。
従来の採蜜は、巣枠を取り出し、煙でミツバチを鎮め、巣を切り取り、遠心分離機にかける──。
時間も労力もかかり、ミツバチへの負担も大きい作業でした。
そこでCedarは「巣箱を開けずに採蜜できないか」と考え、10年以上の試行錯誤を開始。
たどり着いたのが、レバーを回すだけでハチミツが流れ出す特許構造のフレームでした。
第2章:製品の魅力と差別化
Flow Hiveの特徴はシンプルで、そして衝撃的です。
- 蛇口のようにハチミツが採れる
- ミツバチにストレスを与えない
- 従来の作業工程を大幅に削減
フレームは食品安全基準を満たした透明素材で作られ、ミツバチが自然にワックスで覆って巣を完成させます。
レバーを回すとセル構造がずれ、ハチミツがパイプを通って流れ出す──まるで魔法のような瞬間です。
第3章:爆発的な初動を生んだ戦略
キャンペーン開始前、チームは国内外の養蜂コミュニティに情報を発信し、事前登録リストを構築。
そして公開日に合わせて配信したプロモーション動画では、黄金色のハチミツが透き通ったパイプを流れ落ちる映像を披露。
このワンシーンがSNSで爆発的に拡散し、開始24時間で218万ドルを突破しました。
同時に、WiredやThe Vergeなどの海外メディアにも事前取材を実施。
SNSとプレス露出の両輪で、初動の勢いを最大化しました。
第4章:ページ構成と伝え方
Indiegogoページは「見て理解できる」構造に徹していました。
- 冒頭に1分の概要動画
- GIFや図解で仕組みを直感的に説明
- 従来方法との比較ビジュアル
- 父子のストーリー紹介で信頼感を醸成
スペックを並べるのではなく、「どれだけ簡単になったか」を体験として見せる構成が秀逸でした。
第5章:成功の理由と今に活かせる教訓
Flow Hiveが支持された理由は、技術革新だけではありません。
- 体験価値を前面に出すストーリー
- 初動爆発を狙った事前設計
- 難しい製品をわかりやすく見せる構成
- ニッチ市場を社会性と結びつける発信
養蜂という限られた分野でも、世界中の支援者を巻き込めたのは、この4つの要素が連動していたからです。
まとめ:高額支援は設計段階から始まっている
Flow Hiveの成功は偶然ではなく、製品 × 見せ方 × 広げ方 × 関係づくりが噛み合った結果でした。
高額支援を目指すクラファンでは、製品完成後ではなく、設計段階から勝負が始まっています。
OIKAZEでは、こうした大型プロジェクトの戦略設計からクリエイティブ制作、広告運用、メディア連携まで一貫してサポートしています。
「いい製品はあるけれど、どう見せていいかわからない」「初動の勢いをどう作るかで悩んでいる」──そんな方は、ぜひ早めにご相談ください。準備の質が、クラファンの未来を大きく変えます。