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【15億円調達】EcoFlow DELTA Pro─ “家庭用バッテリー”が世界で支持された理由
【15億円調達】EcoFlow DELTA Pro─ “家庭用バッテリー”が世界で支持された理由
「非常用」から「日常のインフラ」へ、ポータブル電源の進化とクラファン戦略の妙
停電が起きても、家の中の明かりが消えない未来
災害や電力不足が当たり前になってきた今、「家庭で使える非常電源」はもはや贅沢品ではありません。
そんな中で、2021年にKickstarterで約15億円($12M超)を集めたのが、EcoFlowの「DELTA Pro」。
大容量バッテリー製品のクラウドファンディングとしては、当時の世界トップ。
支援者数は3万人以上、まさに社会インフラの“新しい持ち方”を提示したプロジェクトです。
DELTA Proって、どんなプロダクト?
- フル充電で最大3.6kWh(オプションで25kWhまで拡張)
- 家庭の冷蔵庫や洗濯機、電子レンジも長時間稼働
- EV(電気自動車)の充電もOK
- ソーラーパネルと組み合わせて、オフグリッド運用も可能
- スマホアプリで電力管理・残量確認ができる
つまり、“ポータブル電源”のレベルを完全に超えていて、家庭のサブ電源にもなりうるレベルの製品です。
なぜここまで支持されたのか?ポイントは「納得感」
① 単なるガジェットじゃない、「生活に必要なもの」としての訴求
DELTA Proが面白いのは、スペックをひけらかすよりも
**「あると助かる」じゃなくて「これがあると生活が変わる」**という打ち出し方をしていたこと。
たとえば…
- 「停電しても冷蔵庫が動く」
- 「EVの電池が切れても家から充電できる」
- 「太陽光で自給自足できる」
これらを生活シーンで描いて見せたことで、「あ、これって本当に必要かも」と感じさせた。
災害大国の日本にも通じるコンテキストです。
② ページ構成とビジュアルの設計がうまかった
Kickstarterページを見ても、テキストよりもビジュアル重視。
・家の中に置いたときのサイズ感
・使ってる様子(リビング/キャンプ/工場など)
・拡張ユニットを繋げた全体像
など、“自分ごと化”できる写真や動画がしっかり用意されていた。
クラファンって、「スペックはすごいけど、使うイメージが湧かない」ものが多いんですが、
DELTA Proはそこを完全に潰しにかかっていた印象です。
③ ターゲットを絞らず、でもちゃんと“誰か”に届いていた
面白いのは、「キャンパー向けです」とか「オフグリッド生活者向けです」とターゲットを絞りすぎなかったこと。
だけど実際は、
- 災害対策を考える家庭層
- 電気代高騰で太陽光に興味を持ち始めた人たち
- キャンプやDIY、EVなど“電気を外でも使う”ライフスタイル層
こうした関心が交わる“接点層”にきちんと届いていた。
広告コピーも「あなたに必要」と言い切らず、「こういう使い方もあるよ」と選択肢を見せていたのが印象的でした。
④ ブランドとしての信頼感が土台にあった
EcoFlowはこれ以前にもポータブル電源でいくつかのクラファン成功実績がありました。
「またEcoFlowが出すなら期待できそう」っていう空気が支援者の間にあったんですね。
加えて、アフターサポートの体制や保証制度についても明記されていたことで、
**「ちょっと高いけど、買っても大丈夫そう」**という安心感が生まれていた。
日本のプロダクト型クラファンにも効く「学び」とは?
OIKAZEとしてこのプロジェクトから特に学べると感じたのは、以下の3点です:
- 高単価でも、「買う理由」をちゃんと提示できれば売れる
- スペックよりも、生活との接点をどう描けるかが大事
- “買ったあとの自分”を想像させるクリエイティブ構成が効く
特に日本では、5万円を超えるプロダクトは「衝動買い」の範疇から外れてきます。
そのぶん、納得と安心を丁寧に積み上げる設計がものを言います。
最後に:クラファンは「夢」だけじゃなく「生活の選択肢」を売る場所になった
DELTA Proの成功は、「電気を持ち歩く時代が来た」という象徴であり、
それを必要な人に、ちゃんと届く形で提示したからこその結果だと感じます。
高額支援を目指すなら、設計段階からすでに勝負は始まっている
このような成功は、一夜にして生まれるものではありません。綿密な設計と、プロダクト・ページ・コミュニケーションのすべてが連動してはじめて、支援という行動に繋がります。
OIKAZEでは、1億円以上の支援を目指すプロダクト型クラウドファンディングを専門に、戦略設計・クリエイティブ制作・広告運用までをワンストップで支援しています。
「いいプロダクトはある。でもどう設計していいかわからない」
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