2025/12/03

【16億円調達】MATE X ─ 折りたたみe‑bikeが“キャンペーン期間だけ”で作った伝説【完全解説】

はじめに:e‑bikeを“欲しいモノ”から“届く未来”へ

2018年夏、デンマーク発の折りたたみe‑bike MATE XはIndiegogoで約$15M(約16.6億円)を“キャンペーン期間のみ”で集め、欧州発プロダクトとして記録的な伸びを見せました。InDemandのロングランを含めた通算では$17M超まで拡大しますが、本稿ではクラウドファンディング本編のみの成果にフォーカスして、勝ち筋と再現可能な設計を分解します。

数字で見る“純キャンペーン成果”

2018年7月の公開から約74日間で、8000人超の支援者がMATE Xを選びました。価格は**$799〜の早割から始まり、モーター出力・バッテリー容量・油圧ブレーキなどのアップグレード階段**で上位構成へ誘導。平均客単価は二台セットの需要も相まって大きく伸び、短期での総額$15M級に到達しました。

要点

  • 期間:約74日(2018年7月公開)
  • 純キャンペーン総額:約$15M(約16.6億円)
  • 支援者:8000人超
  • 価格帯:$799〜(構成により加算)
  • 製品ハイライト:折りたたみファットタイヤ大容量バッテリー選択街〜未舗装の両用性

課題→解決:都市移動の“ハードル”を畳む

課題:e‑bikeは通勤や街乗りに最適でも、保管スペース盗難リスク持ち運びの現実が壁になる。

解決:MATE Xはフルサスペンション×折りたたみ保管・携行の障壁を下げ、ファットタイヤで路面選ばずの安心感を付与。*“カッコいいのに実用”*というデザインの説得力が、コミュニティの自発的拡散を生みました。

差別化の核

  • 折りたたみ×太いタイヤ=“都市とオフの二刀流”
  • 拡張オプション(モーター/バッテリー/ブレーキ)で上位構成の余地
  • 価格インパクト($799〜)で参入障壁を一気に下げる

タイムライン:初速→拡散→安心の“74日”

公開初週は、既存MATEバッカーの再集合と比較ビジュアル(折りたたみ→展開→走行の連続動作)が一撃の理解をつくり、SNSでのUGCが着火。中盤はアップグレード解説色展開で話題を継続。終盤はラストコールレビューアーの試乗コンテンツが刺さり、キャンペーン締切の駆け込みを最大化しました。

  • ワンライナー“The coolest, foldable e‑bike, now within reach.”
  • 5秒の証拠:折りたたみ→展開→走り出すショートループ動画
  • 比較の可視化:通勤バッグ/車載/室内保管の現実感ショット
  • アップグレードの梯子:航続・出力・制動の体験差を数値で提示

クリエイティブ分解:語るより、動かす

MATE Xは液体ではなく“動き”で売りました。折りたたみの所要時間、段差の一発越え、信号待ちからの発進レスポンス。この身体で納得する瞬間が動画・GIFで繰り返され、*“自分の街での使い方”*を想像させます。コピーは短く、価格・距離・時間という一撃の単位を前面に。

勝ちカット

  • 収納→展開→発進をノーカットで5〜7秒
  • 実寸比較(クルマのトランク/玄関・バルコニー)
  • 航続・充電時間の数字を画面上で重ね表示

リワードと価格:階段でARPUを上げる

入口は**$799の早割**。そこから、大容量バッテリー高出力モーター油圧ブレーキタイヤなどのオプションで体験差に直結する投資を促します。二台セット限定カラーは“仲間と買う”動機を作り、客単価の天井を押し上げました。

設計のポイント

  • エントリーの明確化:最低構成でも“街が変わる体験”に届く
  • 上位構成=体験差:航続/停止距離/登坂性能など“生活に効く”
  • セット割/色限定:コミュニティ購入&二回目拡散の燃料

運用と信頼:不安の芯を先回りで潰す

e‑bikeのクラファンは耐久性・アフターに不安が集中します。MATE Xは生産・納期の実況と、スペアパーツ供給整備ガイドの可視化で期待値管理を強化。盗難対策/保管Tips雨天・寒冷地での運用も先回りで示し、**“届いてから困らない”**を設計しました。

先回りチェック

  • 保証・スペア:消耗・事故時の導線と費用感
  • 整備ガイド:ブレーキ調整・チェーン張り・バッテリー保守
  • 環境条件:雨天/低温の航続変動、保管・充電の注意

学び:10億円級の“動くハード”を当てる型

  1. 価値を“時間・距離・体積”で翻訳する(秒でわかる)
  2. 5秒の実演で身体を納得させ、数字で不安を刺し止める
  3. エントリー→上位の価格階段を“体験差”で語る(スペック列挙は後)
  4. コミュニティ購入の導線(セット割・限定色・レビュー)を用意
  5. 終了後はInDemand/自社EC継続導線(ただし“キャンペーン成果”は独立評価)

まとめ

MATE Xは、折りたたみ×パワーという相反に見える価値を**“持ち運べる現実”へ翻訳し、74日で$15M級を積み上げました。プロダクトの強さだけでなく、動きで語るクリエイティブと体験差で押し上げる価格設計**が、10億円級のハードをグローバルで通す王道です。

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  • 初週30%設計:ティザー/PR/早割配分
  • “5秒で伝わる”動画・LP:折りたたみ等の連続動作重視
  • リワード設計:体験差に直結する上位構成の梯子づくり
  • 納期・品質の実況:期待値管理テンプレとFAQ整備
  • 終了後の移行:自社ECとレビュー導線

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